田舎「水消火器」訓練体験記

みなさんの住んでいる地域でも自治会なる組織があるかと思います。例えば、溝掃除とか夏祭りなど毎年決まった行事があるかも知れません。コロナ禍以降、密になる行動は控える傾向にはなっていますが、それを考慮した上でのイベントは行われることでしょう。

現在、私はそういった自治会の役に当たっており、イベント関連は自由に企画させてもらえるということで、いろいろ考えていた中、何気にネットで調べものをしていたら、たまたま地域の防災訓練の記事で水消火器による消火訓練のことが載っていました。

企業や会社でも業務上必要ということで、定期的に開催している所もあるようです。私自身も水消火器を扱ったことが無かったので、これは面白い、やってみようということになりました。時期も季節的に火の用心ということで11月の中旬に設定でいきます。

<準備段階>

窓口は、開催する地域管轄の消防署、基本的に市外局番+119番でつながるようになります、私もまず電話で問い合わせしてみることにしました。

かけてみると、さすがに消防署「はい!〇〇消防署の△△です。」即出ます。

内容を話しますと、担当が「予防班」とのこと、同じ管内にあるので、つないでもらいます。

要件を伝えます、団体名、代表者名、連絡先、開催希望日、開催場所、参加予定人数、水消火器貸し出し本数、的の数など、、その日程なら貸し出しが可能だということ、一定の条件が合えば消防署の人が来てもらえるらしいのですが、今のところ確実に開催できるかどうか読めない所もあったので、今回は見送り、自分たちで進行することになりました。

貸し出し本数の8本、的2つを仮押さえ、後日「自衛消防訓練計画書」という書式(消防局のホームページにデータが添付されているので、そこから引き込みプリントアウトすればOKとのこと)に必要事項を記入し、管轄の消防署(今連絡している所)へ提出してくださいということです。

都道府県によって、様式は若干違うのかも知れませんが、私ら(関西圏)の所では下記のような用紙になります。

また、消火器と的を用意してもらうにあたり、前日に取りに行くことを予約しました。

消防署への仮押さえが済んだので、住民の方に告知です、回覧板、ポスターなどで呼びかけをします。

実施に関しての説明等は、以前、こういった水消火器による訓練が会社で行われ、参加された知人がいたので、その方にも来ていただく事をお願いしました。

<訓練日前日>

予約をしていた消防署へ出向き、水消火器8本と的2つを貸し出してもらいます、事前に電話を入れ、アポをとってから向かいます。

消防署に到着し、事務所へ入ると、予防班の部屋を案内してくれました。その受付で貸し出し書類に記入します。

DSC_1495
DSC_1496
DSC_1498

代表者名、電話番号、貸し出し日時と返却日(何時まで返すのかを記入)し、水消火器と的を受け取ります、農業用コンテナ2つに入れられた状態で自家用車に積み込むとこんな感じです、まあまあ重たいです。

DSC_1494

次に会場の設営に入ります、集会場の駐車場の一角のスペースを使います。

DSC_1500

養生テープでコーナーを2か所区切っていきます、的を配置、雰囲気を出すために「火事だ!」というタイトルボードも用意します。

DSC_1501
DSC_1499

あと受付の机とイスを用意、「水消火器体験コーナー」という看板を机に張り出します。

<当日>

さあ、受付開始、まずは参加者名簿に記帳してもらうようにします。ある程度人数が集まったら前説、最初に主な火災の原因として(放火もありますが)タバコ、ストーブ、コンロ火災が挙げられます。特にコンロ火災、たとえば天ぷらなど油料理で使う食用油は350℃を超えると発火する性質を持っており、これはIH調理器でも起こると言われています。

実際あった話ですが、家で油料理をしている最中にお客さんが来て、話し込んでいるうち、台所の異変に気付き行ってみると、鍋が火の海になってたということがありました。

自分の背より低い火事なら、初期消火ということで家にある消火器で消すことが可能ですが、火が天井まで届いてしまう大きさになると、もはや手遅れとなり、「火事だ!」と周囲に知らせ、家の中にお年寄りなど、身体の不自由な人がいたら助け、脱出した後、119番へ通報するというのが基本的な所作です。

DSC_1513

なので、初期消火想定の訓練として水消火器の取り扱いに入ります。

使用方法は一般的な消火器と同じ、安全ロックを引き抜き、ノズルを取り、火元に向けハンドルを握って噴射するという工程です。

DSC_1497

水消火器は薬剤の代わりに水が勢いよく出る形にはなりますが、作法は一緒です、火元からおおよそ3mあたりの所から噴射させますが、女性の場合、重いので本体を置いたままハンドルを握ってもらうようにします。

DSC_1505

DSC_1508
DSC_1509

やはり、参加される方の中には、消火器を使ったことがない人は多く、体験してみることで体で覚えるという成果は少なからずともあったのではないでしょうか。

ワイワイガヤガヤしながらの進行でしたが、今回の名簿を見ますと、42名の方が体験されたということになりました。

DSC_1510

本来はあって欲しくないのですが万が一、火災が発生した時、あわてず行動できるための学習として地域の方々に少しは役にたったのかなと思いながらの防災訓練でした。

皆さんの自治体などでも所轄の消防署によって多少は手続き等の違いはあるかも知れませんが、一度企画してみてはいかがでしょうか。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です