花を愛し小鳥を愛する人

2019年10月12日は台風19号が日本列島を襲った日でありましたが この日、土曜日は私たち仕事でして出来るだけ早く業務を切り上げようという方向ですすめていました。

商品の配達スタッフも稼働しており、台風対策のために留守宅で不在表をいれた所については再配達を行わず、連休明けの15日(13日が日曜日、14日が祭日で業務が休日の為)で行う方針でした。

自分たちの所在は近畿エリアだったので直撃は受けないものの雨風は通常のものではありません、事務所内では頻繁に各現場との状況確認を電話であわただしく行う中で不在票を見たお客さんの連絡も入ってきます。

すると午後5時半ごろ1本の電話が、、「不在票を見まして今家に帰ってるんですけど、、」

「申し訳ありません、お客様、本日台風の対策のためドライバーが早めに切り上げていますので(以下省略)再配達は15日でお願いいたします。」

「えっ!?15日、、!?あれは小鳥のエサなんです、特別に取り寄せているエサでもう無くなりかけているんです~それでは小鳥が死んでしまいます~!」とけっこう尋常じゃない様子

「わ、わかりました、少しお待ちください、、」一旦連絡先を確認してから受話器を切り、行ってもらえるドライバーがいないか探してみましたが、皆すでに帰っていません、

仕方ない自分が行くしかない!と判断し事務所は他の人にお願いして小鳥のエサを届けることにしました。

自家用車で事務所を出発、商品は40キロ程離れた中継センターに保管されているのでまずそれを取りに向かいます、まだ高速道路が生きており乗って行くことができました。

そこから目的地までが約15キロ、ここからスマホのナビを使います。

仕事用はiphone、プライベートはアンドロイドを使用しておりますがどちらも「マップ」のアプリがついておりナビ機能が使えます、音声認識ができるのでアプリを開いて上部のマイクロホンのマークを押して「〇〇町△丁目▢番地」と言うだけで地図が出て目的地をピンポイントで指してくれます(たまに新築の家の時などヒットしないこともありますが)そこからルート案内を開始してくれるのでとても便利です、数年前は車載のナビゲーションシステムや単独のナビ機器を購入したりしていましたが、更新しないと地図情報が古くなる側面がありました。

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そうこうしながら事務所を出て約1時間20分、目的地に到着、閑静な住宅街の中の一戸建ての家ですが門や塀がレンガ造りで建物も何だか洋風、外から見てみると玄関先がイングリッシュガーデンみたいに草花が生い茂っています。

表札を見ると手書き風のローマ字で表された名前、「ここに間違いない!」インターホンを押すと「ハーイ!」と元気な声

待ってみると玄関から出てきたのは小柄な中年の男性、ですが真っ赤なズボンとフリルのついた白いシャツを身にまとい、両手は少し開き気味で胸のあたりまで上げた状態で小走りにやってきて「ああ、ご苦労様~」と声もすっげえナデナデ声。

おっ!一瞬で察知したのが「あ、この人オネエが入っている!!」

「えっ!?どこから来られたんですか?、、まあ大変だったでしょう、ありがとうございます~」

聞けば聞くほどオネエの疑惑は深まるばかりですが外見で人となりを決めつけてはいけません、、、と心に言い聞かせながらも「小鳥が死んでしまいます~」というのもうなづける訳です

「ええ、電話でお聞きしたお声が何やら尋常ではなかったので事務所からとりあえず向かわせていただきました」「そうなんですか、あっ!ちょっと待っててくださいね」と小走りに戻り、しばらくして何かを取ってきたようです「これね今日買ってきたパンですけど食べてください」と差し出されたのが写真のパンでした、これもやはりこだわりのお店で買ってきたパンなのでしょう

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「あ、ありがとうございます、いただきます。」と丁重にお礼を述べ配達を完了させました。

世の中いろんな人がいるのは当たり前でしょう、今日の人は花を愛し小鳥を愛する、そんな人生を楽しんでいる、それに相応しい人柄なのだという発見だったのが今では興味深い経験です。

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