タイトル的には現在、医療の方法としてぜんぜんポピュラーなもので、何て特別な材題でもないのですが少しでも何かの役に立てばという思いで私から見た解釈で綴ってみることにします。
思うに胃カメラ検査を受けようとする理由は大まかに3つのパターンがあるのではないかと
①健康診断などで異常が見られた時
②胃の調子が悪いなと感じる
③何もないけど予防のためとりあえず診てもらう
私は今回合わせて2回目になるのですが、いずれも①の理由で受けました。最初はレントゲンで胃のあたりに影のようなものがあると、今回は血液の異常、CEAの数値が6.2と基準値を超えている(正常値は5以下)理由でした、初めて胃カメラをのんだのが10年くらい前でその時の結果、異常は認められなかったということで、今ではどこの病院で受けたのかも忘れてしまいましたが、とにかくしんどかったのを覚えています。
あれから少しは医療技術も進歩して楽な検査になるのではと期待していました。
調べてみると、血液検査でガンマーカーと言われるCEA数値が基準値5.0を超えると主に消化器系(胃や大腸、食道など)のガンのリスクが高まる指標になると言われています。実は父親(故人)も70歳半ばで胃ガンになったことがありまして、その時は手術で胃を3分の1ほど切除した過去があります、その後 肺気胸で亡くなりましたが手術自体は成功したと言えましょう、ただ胃ガンなども遺伝と関係が無くはないと書かれていたので、他人事ではありません。
早期発見、早期治療が健康のセオリー、かかりつけの病院で胃カメラの予約を入れました。持病(糖尿病)があるため2か月に1回ほど通院をしており、その日が決まって土曜日午前でありました。(ちなみにこの病院は胃腸内科が専門です)しかしながら検査ともなると土曜日は入れづらく、平日の選択となってしまいます、なので半日仕事を休む前提で木曜日の朝8:30来院の予約を入れました。
看護師さんから、問診票と諸注意書きが渡され説明を受けます。(このあたりはよくある流れですね)前日の午後9時以降は食事をとらない、水を飲むぐらいならOK、今飲んでる薬はないか 、過去の病気はないかとか、持ち物はタオル1枚とおくすり手帳のみ、口からカメラをのむ方法を選びました。(鼻からだと鼻血出そう、痛そうだったので)
その間、へんなものが見つかったらどうしよう、こんな時って人はやはり最悪のことを考えてしまうものなのでしょうか、自分にもしものことがあったなら、、同い年のホイットニー・ヒューストンや元ワムのジョージ・マイケルはすでに亡くなってるし、と どうしてもネガティブな面が出てきてしまいます。
実は私、以前ダイソーで売っていた「もしもノート」というものを買っており、少しづつ書き込んでいるのでした。現在の通帳や登録アプリのコードやパスワードなど遺言的なものも含めて残すようにしています。
古い言葉ですが「一寸先は闇」である未来に対してリスクマネジメントしておくのも大事なのかなと、逆に書いておくことで踏ん切りがつくというか、潔い心の整理がついてむしろ前進していける気持ちが生まれたのも事実です。
検査までの間、やはり悶々とした精神状態であったことは否めません。

そしてついに検査当日、まず受付を通って血圧測定から、セルフで病院内にある測定器ではかると、最高116、最低76、このところクエン酸を溶かした水を毎日飲んでいるからでしょうか、待合室で10分程経って看護師さんが案内に来ました、エレベーターに乗って2階へ、再びイスに座らされ、看護師さんが
「麻酔注射しますか?」
「はい、お願いしたいんですけど、どうなりますか?」
「そうですね、そのまま眠ってしまう方が多いですけど、その後車の運転はできませんね。」
「そうなんですか、麻酔をしない人もいますか?」
「はい、半分くらいは麻酔なしでやってますよ、トラックの運転手とか、慣れるとみなさん平気ですね。」
「あっ、そうなんですか、昼から仕事も行きたいし、、なしでお願いします。」
「分かりました、そしたらこれを舐めてゆっくり飲み込んで下さい。」
と渡されたのがアイス菓子の「アイスの実」を平べったくしたようなものでした。
「口の中と食道を麻酔させるものなので舐めるように少しづつ飲み込んでいってください。」
とのこと、へえー今はこんなものがあるんだと感心しながら、さっそく口の中へ入れると、なるほどアイスの実みたい、ほのかに甘さがあるので舐めやすい、そうすると喉のあたりが麻痺し始めてきて唾も飲み込みみくくなってきました。
しばらくして施術室へ案内され、「ここで横になって下さい、それからベルトとズボンをゆるめておいて下さい」とゆるめる物をゆるめベッドに横たわりました。
ベッドの枕元に自宅から持ってきたタオルを敷くよう言われると、女性スタッフが再度口の中を麻酔するということで、喉スプレーみたいなのを腔内に吹きかけられました、思わずむせてしまいましたが何とか耐えてさらに麻痺していくことを覚えました、その後ベッドに横向きになりマウスピースみたいなものを口にくわえさせられました。
女性スタッフの方が「右手の指に心拍計を取り付けるので」と言って私の右手を上げてくれるのですが、その時にどうもスタッフの女性の胸のふくらみに私の手の甲が当たっているようで、どうしていいのか分からず、されるがままにしていたのですが、僕が男前なのでわざとそうしているのかとさえ思えるひとときでした、そうこうしている内、技師の方が来ました。男と思いきや女の先生、若くは見えませんが美人系です、さながら米倉涼子扮する「ドクターX」の主人公のようです。
「はじめてですか?」
「いいえ、2回目です。」
「いつしました?」
「10年くらい前ですかね、」
「だいぶ前ですね。」と先生と会話
「そうしたら今からカメラを口の中に入れていきますので、最初は苦しいけど、中に入ってしまえば後は楽ですからね。」
と言われながら、先端が怪しく光る細くて長い黒いものが、私の口にくわえたマウスピースの中へ挿入、周りには2人の女性スタッフが私の体を押えている。
「オエッ!」やはり喉のあたりにこられるとすごく気持ちが悪く涙が出ます、女性スタッフが背中をはげしくさすってくれる、何とかしのいでカメラは食道を通過し、テレビモニターを見ながら先生は解説してくれる、
「ここが胃の入口ね、少し荒れてるようだけど大丈夫そうね」
さらに奥の方へ、胃の内部に突入、ここで先生は手に持ったハンドルを肘を上げて反転させる、同時にカメラも回転する、
「うげげっ!」
胃の中で暴れているような気味の悪い感触、女性スタッフのさする手も激しさを増す、
「今、周辺を見ています」
と先生の手はあちこち回転する、シンクロしてカメラも回転、唾も飲み込めないので口からよだれが出てきてしまいます。
半ば拷問みたいだと感じながらも、女性三人に囲まれて献身的に私の体内外をいじってもらっているのにと考えると、もうちょっとしたらこれが快感に変わるんだろうなと、見方によっては男冥利につきるのではないかというへんな感覚が途中から沸き起こってくるのでした、とあと少しでそんな境地へというところで終了、あえなくカメラが引き戻されます。
オーバーな言い方ですけどある種天国を見たような気がします。
「お疲れさまでした。」とドクターX。
「特に異常な箇所は見つからなかったですね、画像を診察の先生へまわしておきます。」
ああ、終わったのか。とマウスピースを外すと口の中に溜まっていた唾液が敷いていた紙シーツの上にだらりとこぼれました。
まあ とりあえずは良かった、注射は打たなかったけれど 口の中に入れた麻酔がまだ残っていてもうろうとしている中 1階の診察室へ案内され、先ほどの画像を見てみることに、ちなみにここではいつもの男の先生でした。
「2か所ほどポリープがありますが問題ないようです、まあ定期的に様子をみていきましょう。」
ですので毎年のように胃カメラは必要なのかなと、こうなると来年はどうなるのか新たな期待と不安が交錯します。

会計では保険適用でしめて 5320円、変な言い方ですが今回はお店に入ったような感じがします。
そんな私の体験記ですが、初めての方にとっては胃カメラ検査って不安があるかも知れませんが、医療技術は日進月歩で進化してますし、自分の健康のためにも大事なことですので思い立ったらぜひ受けてみてください。